アートのある豊かな生活

「アートのある豊かな生活」をめざして

1989年・・・
保育士を辞めて
、何かを求めていた私は
友人宅にあった
『美しい部屋』という雑誌の
トールペイント紹介を
見て、
自分の行くべき道を見つけた気がしました。

生活の中でアートを生かせる。

私は「飾る絵」から「生活の中にある絵」に
共感し、トールを始めました。

描くことが楽しくて、色々な技法が楽しくて、
子供たちが寝てから明け方まで
筆を持った日も
ありました。

初めは少人数で始めたお教室でしたが、
口コミで人が増え、数百人以上の人に伝えています。

アメリカの先生の作品を教えたり、アレンジをしたりしていくうちに、
自分自身のオリジナルを描きたい気持ちになり、
以降数々のオリジナル作品を描いています。
雑貨に描くことも今思えば先駆けだった気がします。
たくさんのオリジナル作品を生み出したのもそのころです。

雑貨が好き、アンティークが好きな私が一番心地よく、
自分の生活に取り入れたいものを
描きたい想いで、無我夢中で描き、教えていました。
ただ前をみて、立ち止まるとこもなかった時期かもしれません。

2000年CDAを取り、技術を高めることに夢中になったこともあり、
楽しいという感覚さえ忘れかけていた時期もありました。

自分自身の暮らしの中には、トールペイントを生かした
雑貨が多くあり、「暮らしの中の作品を描く楽しみ」への
想いが大きくなりました。

小さなアトリエですが、庭に「自分の世界観のある場所」
を作り、活動を広げました。

雑誌にも掲載させていただくようになり、
全国の方に見ていただけるようになり、少しずつ、
自分の世界を広げるチャンスが増えました。

今現在、ご縁があり、こども園で子供たちの絵と
関わる仕事をさせていただくようになりました。
子供たちの着眼点や想像力は大人と違います。

私はまず、大人の感性を押し付けるのではなく
寄り添うことに心がけました。

絵があまり好きでない子や
躊躇する子が少なくなり、
寄り添う言葉がけでのびのびと
絵が描けるようになってきました。

何より私は子供たちの絵と関わる中で
「うまい、へた」という評価でなく、
生活から生まれてくる経験の小さな感動や
発見がアートの表現につながるんだと学びました。

絵を描くことも大好きですが、
私は昔から野山で遊び、自然が大好きで
動物や犬たちと兄妹のように育ちました。

暮らしの中に花を飾ることも好きで、
花は趣味で育てたものを飾ったりしていました。
庭を義理の母から受け継ぎ、
和風の庭を少しずつ
自分色の庭に
変えつつあります。

2019年には初めて、オープンガーデンを開催し、
トールペイントとガーデンのコラボという
1つの夢を実現させました。

2020年はそこに「モルタル造形」も取り入れ、
1つ世界を増やす予定です。

モルタルという世界も私には子供から大人、
生活の全てが
アートであるという思い
の中ではすんなりと
私の中で
表現の手段の一つとして広がり始めました。

庭は生きているアートです。
撒いた芽が出た喜び、
つぼみが膨らめばワクワクし、
花が咲くと感動します。
そして、種をつけ
また眠る。
庭は同じ風景を見ることはなく、
私には大変な作業も多いのですが、
その
魅力には変えられません。

もっと、多くの人が描くこと、作ること、
緑を育てることを
楽しんでほしいと思います。

なぜなら、作り、描き、育てることは
全て繋がっていて
私の思う「アートのある豊かな生活」
に繋がっていくと思っています。

長年のトールの技術などを生かした、自分にできることで、
生活の中にアートを取りいれ、その生活を楽しめ、
豊かになることを伝えていきたいと思っています。

佐々木みゆき

2020年4月5日


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